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Puzzle of Nick Reynolds' Tenor Guitars:
ニック・レノルズと言えばテナーギターの奏者とてして第一人者であり、マーティンのテナーギターのセールスに最も貢献した人だと言うことは、周知の事実です。さて、最近まで全く気にしていなかったのですが、インターネットが普及したお陰で、昔の廃盤となってしまっている雑誌も結構簡単に入手、又は、閲覧出来るようになり、1983年のフレットマガジンに載っていたキングストン・トリオの記事(by William J. Bush ?1983)を掘り起こしてしまったのです。もちろん、実物の雑誌も(少々変色はしていますが)保管していますが、これをひっぱり出すことなど、この20数年間ありませんでした。
よせば良かったのですが、読んでしまったが最後、大変気になる事を発見してしまったのです。
ニック・レノルズの楽器について書かれたセクションで、ニックは、最初の0-17T (#38023, 1929)をサンフランシスコのHarmon Satterleeで購入して、トリオの最初の頃のアルバムで使用していたとあるのです。そして1961年に、やはりHarmon Satteleeによって、この0-17Tが8弦にコンバートされたと書かれています。
更に、1959年に、ニックは0-18Tを購入して、主にツアー用として使い始めましたが、レコーディングには、それまでの2-18Tを好んで使っていたともあります。
ニックは、この0-18Tも8弦にコンバートして、更にもう一本0-18T (#191378, 1963)を購入し、これは、オリジナルのグローバー・ロトマティック・マシーン以外は、そのまま、現在も所有しているとあります。
まず、私が実際にこの目で確認出来ております事実は、今でもニックが所有している0-18Tの4弦ギターです。これは、オリジナルのクローバー型のチューニングぺグが、当時では新しい、ボックス密閉タイプのグローバーに付け替えられていました。これは、1990年にカリフォルニア州コロナドのニックの自宅にてのことですが、その際に、そのケースに入っていたフェルトのピックを3個記念に頂きました。その3個のピックも最後の1個が擦り切れてしまっていて、使用出来ない状態になっていますが。もちろん、その3枚のピックは宝物なのですが、それよりも、ニックも、オリジナルのグローバーを新しいグローバーに付け替えていたことを実際に確認出来たことの方が、嬉しかったです。因みに、私の場合には、それらのオリジナルのグローバーを8弦に使用しています。小さいヘッドなので8弦にちょうど良いですが、チューニングをキープするのが、非常に困難です。それに関して、ニックも同感でして、その為に、ツアーでは、主に0-18Tをコンバートした8弦(何時コンバートしたかは不明)を使用していたとのことです。
4弦に関しても、ニックは、ツアーでは主に0-18Tを使用しており、偶に2-18Tも使っていたようですが、ニック曰く、0-18Tに新しいグローバーを付けた方がチューニングが楽だったからだそうですが、音質に関しては2-18Tの方が気に入っていた為に、レコーディングでは、殆ど2-18Tを使用していたとのことです。
さて、フレットマガジンには、ニックは最初0-17Tを使っていたことになっていますが、0-17Tはフィンガーボード以外は全てマホガ二―で出来ていますので、それを観れば一目で分るはずです。ボディーの形も0-18Tと同じ様に、よりドレッドノートのボディーに近い形をしています。(http://www.tenorguitar.com/martin.html のサイトを参照ください。)そして、フレットマガジンでも、又、このサイトの説明でも、ニックは最初0-17Tを8弦にコンバートしたと書かれています。
本当にそうだったのでしょうか?
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では、これはどう説明しますか?明らかに2-18Tのボディーなのですが?
それから、私が知っている限りのアルバムカバーを含む写真では、やはり2-18Tを持っているものばかりです。少なくとも「String Along」までは2-18Tを持っている写真ばかりです。そして「Make Way」のカバーでは0-18Tで「MTA」を演奏している写真が登場します。
多分、ニックの言葉でも、0-17Tを最初に購入したと言うのが有りますので、0-17Tを所有していたのでしょうが、実際には2-18Tを、8弦にコンバートするまでは、使っていたと考えられます。となると、次のパズルとなる、8弦は、実際に何時からレコーディングに使い出したのでしょうか?
これは、トリオのメンバーやら、ボイル・ギルモアの言葉に偽りが無ければのことですが、トリオのレコーディングでは、少なくともキャピトル時代には、楽器のトラックはダブらせていなかったはずです。(因みに、ヴォーカルは、ソロを除いては必ずダブらせていたことになっていますし、そう聞こえます。)となると、8弦が使われていたと思える曲となりますと、これはあくまでも私の意見でして、ニックに尋ねた事は無いのですが、恐らく「Coast of California」だったのではないでしょうか?この曲では明らかに8弦を聴くことが出来ます。ニックは4弦はフェルトのピックを使用していましたが、8弦にはプラスティックのピックを使用していましたので、その違いも、ここで明らかに聞き取れます。更に、「The Kingston Trio on Record」の198ページによりますと、「Coast of California (Capitol Master #33666)」は1960年の「String Along」のセッションで録音されたのですが、リリースは1961年のガード・トリオ最後のアルバムとなった「Going Places」でされた訳ですので、これが8弦の最初のデビュー曲だったのではないでしょうか?
その当時、アルバムカバーはどういうタイミングで撮られていたのか定かではないですが、ステージの写真を使用した「Make Way」のような場合以外は、普通は、気分転換も兼ねて、そのアルバムの製作中にされていたと考えても、間違いでは無いと思うのです。カバーの写真は、アルバムのタイトルのネーミングとも関連を持っていますし、まあ、そうであったことにしましょう。とすると、ニックが2-18Tの4弦を持って写っているのも「String Along」が最後となっており、それも、2-18Tがこの辺りで、8弦にコンバートされたことの裏付となります。ここでは余談となりますが、この「String Along」はトリオにとって、5枚目で最後のゴールドディスクとなったアルバムでもあります。アルバムチャートの1位に10週間も在ったアルバムです。
ニックの8弦にコンバートされた2-18Tですが、やはりチューニングには大分悩まされたとのことで、2本持っていた0-18Tの1本を8弦にコンバートすることで、その悩みは解消されましたが、やはり、サウンド面では、2-18Tの方が数段上だったことから、TVのショー等で観られる8弦は、皆2-18Tの方ばかりなのだと思います。
その2-18Tも、正確には何時の事かは分りませんが、再びネックとブリッジを4弦にリコンバートして、現在では4弦としてニックの手元に有ります。90年にレノルズ宅を訪問した時には、2-18Tは息子のジョシュアにあげちゃったと言っていました。
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この写真はトリオのファンタジーキャンプでの写真で、右のファンが持っているのが再度4弦にコンバートされた2-18Tです。
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御存知アディー・ウイリアムス・ショーで「マギー」を演奏しているシーンですね!
マーティン・ギターでも8弦ギターが5本のみ作られました。ネーミングは0-18T8とされ1969年に2本と1970年に3本作られたことが記録に残っています。
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《By Kaz Sakamoto, 12/06/06》
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Other Guys in The Trio's Instruments: では、他のメンバーの楽器は? |
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